目利き

エルピーオ

2011年04月30日 23:55




私が子供の頃、海の無い群馬県では今のように新鮮な魚を日ごろから食べる事は出来ず、それは流通がこれほど発達していなかったからだというのは、想像に難くない。たまに実家に帰り近くの大型スーパーを覗けば、今では海の近くの横浜も真っ青なくらい安くて新鮮な魚が陳列されていたりする。

人はだれでもある習慣が続くと慣れてしまい、もっと違うものを求め始める。そして今あるものよりも下を求める事はなく、上を目指す。食べ物も同様で、今までよりも旨い魚が食べれる事が続けば、最初は満足しているが飽きて更に旨いもの、良いものを目指すようになる。つまり魚に目が利く人が増えていく。そして目利きが出来るユーザーのニーズに応えて、海ナシ県の魚は更に美味くなって行き、更に魚に目の利く人々が育つのだろう。




さて、葉山の辺りでは春のアオリイカシーズンが始まったという噂を聞きつけ、久々にボートエギングに行ってみた。

天気予報で昼近くから強風が吹くというので、朝からの数時間が勝負と意気込むが、潮の流れがとっても変。キャストしたエギが押し戻されるので、反対側に投げてみるが、これまた押し戻される。たまに一定方向に潮が流れる事があるので、そのタイミングで気合いを入れるという釣りになった。




結果は750gのスミイカ1杯。コウイカ類としてはけっこう立派なサイズ。それから、小さな小さなタコ。こちらは海にお帰りいただいた。本命のアオリイカを私は釣る事ができなかったが、スミイカはアオリイカに負けず美味。むしろこの時期のアオリイカよりスミイカのほうが断然美味いと聞く、、、のだが、釣り味はアオリが格段に上なので複雑な心境。試合に勝って勝負に負けた感じ。

しかし、帰宅すると妻は非常に満足そうだ。アオリイカじゃなくて良かったくらいの事を言っている。何を言うのか、アオリイカだってそれほど食卓に並ぶ機会が多いイカでは無いのだよ、とアオリイカを弁護してみても聞く耳持たず美味しそうに食べている。刺し身にゲソのなめろう、スミイカとチンゲンサイのオイスターソース炒め。確かに美味かった。

さて、近所のスーパーの地魚コーナーに並ぶアオリイカの価格は胴体1パイ分で680円前後、対するスミイカなどのコウイカは1ハイ1,780円と超高級で驚いた。イカの種類なんてあまり知らないみたいだけれど、どうやらわが家にも目利きの優れた人がいらっしゃったようで・・・。



勇敢なタコ君。自分より大きなエギに襲いかかるとは。


あなたにおススメの記事
関連記事